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入れ歯のお悩み相談室
間違った入れ歯の危険性
入れ歯の基礎知識
入れ歯が合わないと、食事が美味しく食べられないだけでなく、腰痛や全身疾患の原因になったりもします。でも不具合が起こる原因は、入れ歯の形が悪いだけではありません。 |
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入れ歯を使っている人は、全国に1000万人以上いるといわれています。でも、そのなかでどのくらいの人が、使っている入れ歯に満足しているのでしょうか。天然の歯とは違うのだから、少しくらい不具合があってもしかたがないと諦めている人が、意外に多いのではないでしょうか。
入れ歯の不具合は、ぐらつく、硬いものが噛めない、外れやすい、入れ歯の裏側に食べ物のかすがはさまるなど人によってさまざま。入れ歯が合わないために息が漏れて、言葉がはっきりと発音できなくなることもあります。合わない入れ歯では食事を楽しむこともできませんし、ましてや噛むと痛みを感じるようでは、入れ歯を使っている意味がありません。
総義歯(全部床義歯)Compleate denture
上顎、または下顎の全歯を欠如した症例に対し、天然歯及び、その隣接組織の形態的、機能的欠除を、整復する目的で装着される代替装置。
全部床義歯は、構造上、広く粘膜面を被覆して、噛合圧を支え、義歯を口腔内に維持する床部と天然歯の代用として、直接、咀嚼の仕事にあずかる人口歯部とからなる。
したがって、全部床義歯は、純粘膜負担性義歯である。
床用材料:金属、レジン
人口歯:陶歯、レジン歯、金属歯
がある。
歯学大辞典(永末書店)1976より引用
合わない入れ歯から起こるさまざまな症状
入れ歯の不具合は、ぐらついたり、言葉が出しにくかったりというわかりやすい症状だけではありません。入れ歯の噛み合わせが悪いため、顎が疲れて肩こりや腰痛が起こることがあります。
また食べ物がよく噛めないことから、消化不良を起こして胃腸が弱くなったり、免疫力が低下して全身疾患にかかりやすくなったりすることすらあるのです。
<合わない入れ歯が原因となる症状> ●肩こり、首の痛み、背中の痛み、腰痛など ●胃もたれ、便秘など ●免疫力が低下して感染症にかかりやすくなる ●脳への血流量が少なくなる ●精神的に不安定になる |
入れ歯が合わない原因とは?
入れ歯が合わない原因は、最初から入れ歯の形が悪かったり、使っているうちに歪んでしまったりというだけではありません。入れ歯を使っている方の、お口の中に原因があることも多いのです。
入れ歯は、どうしてお口の中にぴったりはまっているのでしょうか。その理由は唾液にあります。唾液が接着剤の代わりとなって、お口の粘膜と入れ歯をくっつけているのです。唾液の量が多すぎても少なすぎても、入れ歯が浮きやすくなってしまいます。
また、天然の歯がさまざまなものを不自由なく噛めるのは、歯の根にある歯根膜という部分がセンサーとなって、どう噛めばよいかをコントロールしているからです。
総入れ歯の方に歯根膜はありませんが、代わりに咬筋にある筋紡錘という部分がセンサーとして働いています。その働きが悪かったり、筋肉のコントロールがうまくできなくなったりしていても、上手に噛めなくなってしまいます。
合わない入れ歯で悩まないために
一番大切なのは、お口の形にぴったり合った入れ歯を作ること。そのためには、歯科医師、歯科技工士、そして患者さまの連携が必要です。
患者さまが望んでいることを歯科医師がしっかりと聞き、それに基づいて歯科技工士が確かな技術で入れ歯を作る。
その連係プレーができて、初めてお口に合う入れ歯が作れるのです。ベストパートナーシップです。
※堤嵩詞技工士とは20数年以上の連携です。
また、患者さまのお口の中のトラブルを解決し、入れ歯が馴染みやすい環境を作ることも大切です。トラブルをかかえたまま入れ歯を作っても、決していい入れ歯はできません。ドライマウスや咀嚼筋群の衰え、噛み合わせのズレといったトラブルを、トレーニングやリハビリテーションで改善しておくことで、より入れ歯が使いやすくなるはずです。