院長のブログ
木床義歯
江戸時代の義歯はツゲの床に前歯は人工歯の形態に掘り込み彫刻していますが臼歯は人工の歯がありません。
此れは咬合理論がまだ確立されていないことが分かります。
フラットテーブルです。
さらに近代になると鋲を打ち込み減らないようにしています。
蜜蝋で型を取る作業と聞きます。
少しずつ口にあわせていくようですね。
先人の苦労が分かります。
相手が粘膜だからです。
技術と時間、手間に感動を覚えます。
総入れ歯の咬合、噛み合わせはいいですか?
いろいろ自分なりに研究しました。
もちろん顎関節の専門医ですのでレントゲン、MRI、ナソヘキサなどをみて総入れ歯の咬合は筋骨格安定が一番とおもいます。
此れはケンタッキー大学のオケソン教授が述べています。
歯医者は個人、個人で顎位のとり方はいろいろあり彼は何でもありとの表現を使っていますが補綴医、矯正医、歯周外科医、インプラント医等は咬合の設定が大切ですが此れという方法がまちまちなのです。
人間の歯の発生から考えるこれも良いです。強制的に後方に押す此れでは噛めません。
もちろん自分を信じることは大切ですがロジカルにいかなければ学問ではありません。
私は治療義歯で咬合を安定させ、それで本義歯を作る、筋骨格安定位の咬合です。
ですから総入れ歯では咬合と印象は連動しているのです。
リハビリなしの上下同時印象法もシュライヒは行いましたが私は噛むことは脳機能との信念があるので彼の方法は止めました。
総入れ歯は再度顎の位置、咬合の脳機能へのリセット、再入力で良く噛めることになります。
先ず歯がゼロになるまでの咬合の推移を考察することが大事です。
聡明な人はこのロジックが理解できると思います。
昔の総入れ歯はツゲや牛の骨などの材料で作り形態だけでした、それに近代では咬合論が機能へと発展させたのです。
良く噛めない人は先ず原因を解明することです。
原因と結果此れはリンクしているからです。
適正な高さで、マウスボリュムが合えば、そこでよく噛めればいい顔、元気になります。
それにはその位置でのリハビリがいるのです。表情、嚥下、発語、咀嚼などその位置での再入力(脳)が大事なのです。
総入れ歯の再入力の総入れ歯ーーーパイロットデンチャーです。
パイロットデンチャーの写真です。約3月位実際に患者さんがリハビリした上下の総義歯です。
粘膜面は松風の粘膜調整材を使用しています。